コラム<子どものひきこもり>No.2|Smile Lab
2021/09/28
本人の性格や社会的環境など様々な要因が複合的に重なった結果、ひきこもりになります。
苦しさの中でがんじがらめになり身動きが取れずに苦しい思いをしているのは本人です。
ゲームをしたり、YouTubeを見たり、テレビを見たり、好き勝手しているように見えますが、「誰からも理解されない」、「親に申し訳ない」、「自分には価値がない」と心を閉ざし、姿を見せなくなり、生きる力が落ちて動けなくなってきます。
”ひきこもりシステム”(斉藤環「社会的ひきこもり」)として「個人」、「家族」、「社会」の3つの領域で何らかの悪循環が生じ、そこから抜け出すことができなくなってしまっています。
「個人と家族」、「個人と社会」などの接点が切り離されます。
では、どのように切り離されたものを回復させるか?
支援者の立場で言うと、まず家族関係の回復を考えます。
今どの程度家族関係が膠着しているかを丁寧にみていきます。
私の経験で言えば、少なくとも家族との関係性のバランスが崩れている箇所があります。
ひきこもりは長期化するとは悪循環を生むため、できるだけ素早く支援をしていきます。
子どもの「社会」は「学校」として捉えると、学校の問題であれば多く対処法があります。
しかしながら、子どもと家族の問題は簡単にはいきません。
家族関係は表面化することはとても難しい。ひきこもる前の担任に聞き取りをしたり、母親と信頼関係を作り共に考えたりしていきます。最終的には両親と本人とで話をしていく形をとります。
そこで語られる子どもの言葉はさまざまですが、ご両親が思ってもみなかったことが多い。
ご両親の気づきから少しずつ変化していきます。
子どものひきこもりは、ご両親の変化から糸口が見つかります。
そして、子どもの立場からサポートをすることで、以前とは違った家庭の雰囲気が生まれてきます。
まずは、子どもの言葉を否定せず全部受け止めることで家族のベクトルが変わっていくのではないでしょうか。